この恋を叶えてはいけない
唇を噛んで、顔を伏せた。
これ以上、戸村さんの前で作るのは無理だと思った。
「戸村さんには……
関係ありません」
そう返すのにいっぱいいっぱいで、
これ以上この人と関わっちゃダメだと思った。
なんだかこの人は、あたしが必死に隠そうとしている想いを
さらけ出させてしまいそうな気がして、怖い。
真っ直ぐとぶつかってくる言葉が、あたしの心のバリアを壊してしまう。
あたしはぺこりとお辞儀をすると、先を急いだ。
「関係ないかもな……。
けど……」
先を歩くあたしに、
戸村さんが背中に向かって叫んでくる。
「なんか、放っておけへんのや!!」