この恋を叶えてはいけない
怖くて怖くて……
誰も近くにいないことから、携帯を握り締めた。


「……駿っ…」


恐怖を感じたとき、思い出すのはやっぱり駿の顔で……


助けて……
駿……

会いたいよっ……


今すぐにでも駿に電話したい気持ちがあったけど
大阪と東京という距離があたしを引き留めた。


それにもしも今、会ってしまったら、
せっかく押し込んできた3年間が、全て水の泡になってしまいそうな気がしたから……。



カサッ……

「あ……」



その時、上着のポケットに紙切れが入っていることに気が付いた。



(唯ちゃん。

 これ、俺の連絡先やから。


 何かあったら連絡して)

 
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