この恋を叶えてはいけない
ピンポンピンポーン!
あれから20分ほど経った。
しばらく静まり返っていた部屋に、再びインターフォン。
体がビクッと反応したけど
耳に当てた受話器から、優しい声が聞こえる。
《俺やから。
開けて》
戸村さんだ……。
あたしはすぐに立ち上がって、玄関の扉を開けた。
「大丈夫か?」
「……っ」
戸村さんの顔を見た瞬間、急激に安心感が襲った。
ずっと我慢していた涙が、一気に溢れてきて、思わず泣きじゃくってしまう。
「おわっ……。
そんな泣かんといてっ……」
「すみませっ……」
そんなあたしの反応に、戸村さんは焦っていて、
パタンとドアを閉めると、しっかりと鍵をかけた。