この恋を叶えてはいけない
「え?いやいやいやっ……!
それはアカン!!」
戸村さんはすぐに拒んで、毛布をざっとかぶる。
だけど室内は、春先と言ってもまだまだ肌寒くて……。
「じゃあ、やっぱり戸村さんがベッドで寝てください。
あたしが床で寝ますから」
「いや、それもダメでしょ」
「じゃあ、一緒に入ってください」
「……」
じっと目を見つめて言い切るあたしに、戸村さんは少し怯んでいる。
確かにこんなこと、
鈍感じゃない女の子じゃなければ、誘っているようなものだ。
それでも……
「………どうなっても知らんよ…?」
「……はい」
一歩ずつ、前に踏み出そうとするあたしが
戸村さんを誘っていた。