この恋を叶えてはいけない
 
「おはようございます……」

「おは………うわっ!!」


寝ぼけ眼だった瞳が、一瞬にして大きく見開かれ、
あたしから一歩後ろへ下がる。

なんか、その反応傷つくなぁ……。


「ビ、ビックリしたぁ!!
 目ぇ覚ましたら、いきなり好きな子の顔がアップにあったら驚くやんか!!」

「……」


今、さりげなく好きって言われたし……。

関西の人だから?
戸村さんは、ちょいちょいそんな言葉をはさんでくるから、反応に困る。

 
「よう眠れた?」
「はい……おかげさまで……」
「ほなよかった」


と、にこりと微笑む。


なんか……
安心するなぁ……。


「戸村さんも眠れました?」

「眠れるわけないやん」

「え……」

「朝までもんもん。
 寝付けたのは、さっきやさっき」

「す、みません……」

「ええの。
 俺としては、役得のようなもんやし」


ベッドから起き上がって、大きく伸びをする戸村さん。

その背中が大きくて、思わず抱き着きたくなった。
 
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