この恋を叶えてはいけない
陵はとっくに名古屋へ向かっているので、もう着いている頃だろう。
心配なのは……
「あー、やっぱり降ってきたね」
「ほんとだ……」
窓の外を眺めて声を漏らす知香ちゃん。
つられて一緒に見ると、ポツポツと雨が降ってきたみたいで……
「きゃ!今光ったぁ……!」
「……」
雨とともに襲ってくる
この雷だ。
「これからどんどんひどくなるみたいだし、今日は早く帰ろー」
「そうだね」
天気予報だと、今日の深夜が一番ひどくなるみたいで、
なるべく早く帰宅しましょう、とも天気予報で言ってた。
あたしもそこまで急ぎの仕事もないので、今日は定時目標で仕事を切り上げることにした。