この恋を叶えてはいけない
お風呂から上がって、リビングへ戻ると、
カーテンが開けられたままだったので、外の様子がよく分かった。
ピカッ……!!
「…っ」
窓の外がまぶしく光り、遅れて雷が落ちる音。
音の状態からして、雷は全然遠くのほうなのに、
苦手なあたしにとってはそれだけで恐怖の存在で……
「気にしない気にしないっ……」
カーテンを閉めて、冷蔵庫へ向かった。
普段あまり飲まないけど、冷蔵庫から缶ビールを取り出して、
今は少しでも酔って雷のことを忘れようと思った。
「はぁ……」
3分の1ほど、一気に飲みほし、ソファーにもたれかかった。
携帯を開くと、陵から
【今から会合】
というメッセージが入っていて、多分まさに今、接待中だと思われる。
邪魔すると悪いと思って、とくに返信することなく、そのまま携帯を閉じた。