この恋を叶えてはいけない
 
最悪……。
だから雷なんか嫌い……。


部屋の中は真っ暗で、
カーテンを開けても、この大雨の中、月なんか出てないから外の光もたかが知れてる。

それに……


ピカッ……!!

「…っ」


訪れてくる光は、雷の光。

それは余計にあたしを恐怖に陥れるだけで、開いていたカーテンをまた閉じた。


怖いよ……
もうやだっ……。



トントン……

「…っ」



なんとなく聞こえる、
玄関からの雨音じゃない音。


トントントン……


幻聴なんかじゃない。
確かな音。


それが一体何の音なのか
玄関へ振り向いた時から分かっていた。
 
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