この恋を叶えてはいけない
 
あたしと駿が、間違った道を進まなかったのを確認したように、
見計らってついた電気。


途端に明るくなって、目を細めた。


「……あ…」


その瞬間、目に入ってきたのは
机の上に置いてあった、数枚の写真。


「駿、これ……」
「ん?ああ……段ボールの中から出てきたんだ。
 唯香も見たいと思って……」
「……うん…」


そう言われて、机の上にある写真に手を伸ばした。


そこに写っているのは……




「……本当に……あたしと駿、なんだ……」




小さい頃の……
家族写真。


まだお父さんとお母さんが離婚する前で……
きっとどこかの海へ行ったときの写真だった。
 
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