この恋を叶えてはいけない
「え……」
あまりにも突然過ぎて、つい驚きの声を出してしまった。
それを聞いた陵が、慌てて言葉を続ける。
「あ、あー……悪いっ……。
ほんまは指輪とかも用意しようと思ってたんで。
っちゅーか、プロポーズはもう少し先と思うてたし……。
せやけど……
今の唯があまりにも可愛いこと言うもんやから……」
「……」
目を逸らして、頬を染める陵。
こっちまでその赤い顔が伝染しそうだ。というかしてる。
「婚約指輪はまた今度用意する。
せやから……俺と結婚してください」
改めて切り出された言葉に、正直戸惑いもあったのは確かだった。
頭の中で、一番初めに思い浮かんだのは……やっぱり駿の存在。
だけど自分の心の返事は、揺らぐことなく決まっていた。
でもその前に、
ちゃんとあたしの気持ちも伝えておかないといけない。