この恋を叶えてはいけない
「新郎さん、新婦さん。
時間ですので、スタンバイお願いします」
「あ、はい!」
どうやら、参列者たちもみんな会場入りをしたようで、ついに結婚式が始まる。
スタッフの人に呼ばれて、あたしと陵も控室を出た。
そしてそこに、
スタッフの人とともに待っていた人がいた。
「……馬子にも衣装だな」
「何それっ……」
黒いスーツに身を包み、あたしを待っていた人……。
「お兄さん、よろしく頼みます」
「いや。こちらこそ、こんな妹ですが、よろしくお願いします」
と改めて挨拶をする二人。
陵は、先にチャペルで待っていないといけないので、ここで別れた。
なので、必然的にあたしと駿の二人だけとなる。