この恋を叶えてはいけない
そう願ったはずだった。
あの時は何があっても、二人で乗り越えていこうと心に誓ってた。
だけど今
あたしと駿は、別の形で一緒にバージンロードを歩くことになる。
「……なあ」
「何?」
「もし今ここで……」
トーンを落とした、駿の声。
聞いてはいけない言葉。
言ってはいけない言葉。
振り向くと、視線が絡み合って
沈黙の時間が続いた。
「しゅ……」
「時間ですよー」
あたしたちの言葉を止める第三者の声。
その声にハッとし、返事を返した。
「……行く、か」
「……………うん」
扉が開かれ、
多くの人の拍手が巻き起こる。
中からはあたしたちを祝福するメロディ。
駿の腕を取って
その一歩を踏み出した。