この恋を叶えてはいけない
 
「唯香、綺麗ー……」


拍手とともに、聞こえる友人の声。

気づくと目の前には、あたしが選んだ彼がいて……



差し出される手。

緩くなる腕。



あたしは一度目を閉じ、その腕をそっと解いた。





「いままで……

 ありがとう……。



 お兄ちゃん……」





彼にだけ聞こえる、小さな声とともに……。

 
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