この恋を叶えてはいけない
 
帰るのではなく、誰かを探している。

そんなの、「どうしたの?」って聞かなくても分かってた。


葬儀場の裏に回った時、ようやくその人物を見つけ、
お母さんは静かに歩み寄る。




「駿………」




お母さんの声に、彼は振り向き、
少しの間があったあと、目を大きく見開いた。

そして閉ざされていた口が開く。





「母さん………」


 
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