この恋を叶えてはいけない
「もしもう一度、お前に会うことになったら、
多分俺は、お前に……唯香に恋におちるんだろうな、って思ってたから」
「な、にそれ……」
「それほど、あの日の夜のことが忘れられなかったってこと」
「……」
そんな台詞、顔色一つ変えずにいうのはずるい。
あたしの心は、こんなにも掻き乱れているというのに……。
「それは……よかったね。
妹を好きになるなんて、一生報われない恋になるよ」
「そうだな」
あたしの言葉に、駿はハハッと軽く笑っていた。