この恋を叶えてはいけない
「なんか落雷があったんだって。
復旧の目処もたってないとか」
「え……」
ああ…
これはもう、今日は野宿決定かな。
そのうち動くだろうから、近くの喫茶店とかで待ってればいっか。
「……それなら俺んち…」
「はい!お待ち!」
駿の言葉とかぶせて、厨房から唐揚げ弁当が出来上がったという声。
それもあり、何を言いかけたのか全然聞き取れなかった。
「何?」
「いや、なんでもねぇよ」
「そう…?」
そんな受け答えをしながら、出来たてのお弁当を袋に入れ、駿に渡した。
「お待たせしました。唐揚げ弁当です」
「ん」
駿はそれを受け取ると、やっぱり何かを言いたげな感じだったけど、
結局それ以上何も言わずに店を出て行った。