この恋を叶えてはいけない
「しゅ、んっ……」
「雷、怖いかと思って」
「…っ」
「おいっ」
あたしはたまらず、駿に抱きついた。
駿は戸惑いながらも、あたしを引き離そうとはしない。
「こわ、いっ……雷…苦手でっ……」
「知ってる」
返ってきた言葉は、予想外の言葉。
驚いて顔をあげると、複雑そうに微笑む駿が見下ろしていて……
「昔から、唯香は雷が苦手だったから」
あたしだけが覚えていない、過去の思い出。
「俺の部屋に来るか?」
それに頷いたら、
きっとあたしは理性を保っていられない。
どうなるか分からない。
それでも…
「………うん…」
差し出される手に、自分の手を重ねずにはいられなかった。