ふわふわと甘い気持ちを
学校の王子様
子供がぬいぐるみを抱きしめるみたいに、優貴が私をギュッと力強く、優しく抱きしめる。
胸がドキドキと張り詰めてくるのを感じる。
こんなに体がくっついているのだから、このドキドキが彼に伝わってしまうのではないか。
「──俺は君が好きだ!どこにも行かないでくれ…」
私の背中にあった手が、スルリと後頭部へ行き、今にも壊れそうな人形でも撫でるように、そっと撫でてくる。
その瞬間、私の頬がみるみる紅潮した。