自殺教室
幽霊君にしよ。うん…トオルなんて、誰か知らないし…

さっき呼んだのは…なんとなく?
「僕さ、トオルって、名前だったのかな?」

「え?僕に聞かないでよ…幽霊君。」


「あはは、幽霊君…ね。で?何で来たの?僕さ、君の体を使ったでしょ?アハ♪」


来たのは…
「なんとなくかな。正直言うと…」


「ふーん…」

「聞きたいことも…あるからかな…」
「聞きたいこと?なーに?」


「カヨコちゃん。知ってる?」

「カヨコ?聞きたい事って、それ?」

幽霊君の眉根がよった。


「うん、ちょっとね…」

「ふーん…ソウナンダ…けど〜♪教えないよ♪教えないよ♪」



「そっか。そうだね。ごめんね、幽霊君。」

僕は、教室を出た。



「君、良いなぁ…その体。」

そう、幽霊君が呟いたのを、僕は知る由もない…

——————…
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