未タイトル

私は彼氏とかそーゆの全然わかんない。
幸せなんだろうなぁって思うけど

七海を見てると分かる

幸せなことだけじゃない。


辛い思いをしたり
泣いたり
するぐらいだったら

恋なんてしたくない。


「じゃあしなきゃいいじゃん?」

え、誰。

「あー、今 『誰?』とか思ったっしょ?」

「え、」

「あんたさ、気づいてないんだね」

そう言って笑う。
誰だろう。

今この人は廊下にいて
私は教室にいる。

壁を挟んで話している状態。

というか
私が何に気づいてないっていうのよ!

「声。」
「え?」
「全部、声に出てるよ。思ってること」

あ!そういうことか!
私としたことがー。

「あんた、面白いね」

「あんたあんた、って貴方は誰なの?」
「俺?俺はー。」
誰なんだろう。
同じ年なのかな。
どんな人なのかな。
「秘密」

「え?秘密?」
「そ、秘密。じゃ、またね。優里ちゃん」

え、待ってこの人
なんで私の名前知ってるの!?

「ちょ、待ってよ!」

そう言って廊下に出たけど
誰もいなかった。






まるで




風のように_______

< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop