shortstory
「ジャンルはミステリー??」
本当は邪魔をしない方がいいのだろうが、少しでも長く話したいという自己満足で話しかけてしまう。
「いえ、恋愛小説です。僕の好きな作家さんの本なんですけど、言葉一つ一つがとても綺麗でまだ、数ページだけですが泣いてしまいそうです。恋愛小説は初めてだったのですが、こういうのもいいですね。」
読み終わったら、すぐ南条さんも読みますか?
ととてもわくわくした瞳でそう言った。
本当に好きなんだなー。なんて軽く本への嫉妬。
「うん!ありがとう!楽しみに待ってます。」
「じゃあ明日にでも渡しますね。」
「いいよそんなに急がなくても。」
「無理はしてないですよ、今夜で一気に読んでしまうと思うので、それに南条さんがどう思ったのかも聞いてみたいです。」
「けど、夜更かししちゃダメだよ。」
体壊されちゃったら会えなくなっちゃう…あ、でも風邪とかならお見舞い行けるかな……ってなに私欲に走ってるの私!!