shortstory
「あれ?南条さん?どうしたんですか?」
声をいきなりかけられ肩がビクリと跳ね上がる。
やばい、泣いてるのバレる、と急いで目を擦り、振り向かずに
「えーっと、ちょうど本探してる所で…」
頭をフル回転させどうにか理由を考える。
「今の聞いてましたか?」
「…えっと……。」
やっぱ気づくよね…。
「聞かれてましたか…。」
と何かを考えながら言った。
「ごめんなさい。聞くつもりはなくて…たまたま聞いちゃって…ごめんなさい、聞かれたくはないものなのに…」
「怒っているわけでは無いので顔を上げてください。」