shortstory

「はぁ…、どうやったら好きになってくれるかなー。」

「……。」

無視か…。どうやら小説に夢中らしい。

「ねぇーねぇーねぇねぇねぇ!!」

「うるせーよ。」

と頭を叩かれた。

しかも、本の角で。

俺を叩いたのは幼稚園からの腐れ縁、悪友、親友以上友人未満と、いう意味がわからない関係にある悩みすら聞いてくれない酷い男だ。


「暴力反対!」

「うるせーよ。暴力じゃねーよ躾だ躾。」

し、躾…。

「俺は犬じゃねー!!!」


「キャンキャン吠えるな。」


「吠えてねーし、お前が無視するのが悪いだろ、相談に乗れよ、薄情だな。」

「薄情で結構だ。」
と本から視線を外さない。

こうなったら

「ねーねーねーねーねーねーねー。」
とずっと言っていると集中できないのか

「ハァ、聞けばいいんだろ。」

と面倒くさそうに言った。


「で、俺は何を聞けばいいわけ?」

< 2 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop