shortstory
コンコンと部屋のドアがノックされた。


「はい。」



「そろそろご飯だってー」
と部屋にきたのは姉だった。



「わかった。すぐ行くって伝えておいて。」



「待ってるからねー。」
と笑顔で言った。



その笑顔が昔から大嫌いだった。



いつもニコニコしていて、人当たりが良くて、体が弱いという以外は完璧な人



だからこそ、何を考えてるのかがわからなくて幼い頃から苦手意識を持っていた。



食事をするとき、姉はやたらと学校のことを聞いてくる。



授業のこと、友達のこと、部活のこと…



私の学校生活を聞いてくる。



そして決まったように言うのだ、



「いいなー、楽しそうで。」


< 30 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop