*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
シィ君はしばらく閉じていた目をふいにパチンッと開けた。
「よっしゃ、充電完了。ほら、行くで! ケンジ!」
「えー。もう行かなあかんのー?」
ブツブツ文句を言うケンジ君を無視して、ふたり分のカップを手に近づいてきた。
「ごちそうさま。ありがとうな」
笑うとくしゃって目が細くなるシィ君の笑顔は、わたしを幸せな気分にさせる。
わたしは両手でそれぞれのコップを受け取った。
ん……?
シィ君がいつまでもじっとこちらを見ている。
正確に言えば、わたしの顔じゃなくて頭のあたりを見ている気がする。
え? 何?
なぜかドキドキしてきた。
シィ君の腕が伸びる。
大きな手がわたしにどんどん近づく。
一瞬見とれてしまうほどの、細くきれいな、だけど男の人特有の節のしっかりした指が髪に触れそうになったその瞬間
わたしの緊張はピークに達した。
そして……。
――ガチャンッ!
「きゃっ!」
「よっしゃ、充電完了。ほら、行くで! ケンジ!」
「えー。もう行かなあかんのー?」
ブツブツ文句を言うケンジ君を無視して、ふたり分のカップを手に近づいてきた。
「ごちそうさま。ありがとうな」
笑うとくしゃって目が細くなるシィ君の笑顔は、わたしを幸せな気分にさせる。
わたしは両手でそれぞれのコップを受け取った。
ん……?
シィ君がいつまでもじっとこちらを見ている。
正確に言えば、わたしの顔じゃなくて頭のあたりを見ている気がする。
え? 何?
なぜかドキドキしてきた。
シィ君の腕が伸びる。
大きな手がわたしにどんどん近づく。
一瞬見とれてしまうほどの、細くきれいな、だけど男の人特有の節のしっかりした指が髪に触れそうになったその瞬間
わたしの緊張はピークに達した。
そして……。
――ガチャンッ!
「きゃっ!」