*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「タカシー!」
公園の外から女の人の声が聞こえた。
「ママ!」
男の子はうれしそうに駆け寄るとこちらを見て二人で何か話していた。
「すみませんっ。ありがとうございました」
お母さんはペコペコと頭を下げる。
「お姉ちゃん、ありがとー!」って手を振りながら、親子は公園から去って行った。
ふたりを見送ってから、ふいにシィ君が口を開いた。
「良かったな」
その声にハッと我に返る。
あ……。
そう言えば、シィ君の怪我は?
わたしったら、自分のことにいっぱいいっぱいで、逃げるように美術室から去ったもんなぁ。
「シィ君は? 足、大丈夫?」
シィ君は、すぐ傍でわたしと同じようにしゃがみこんでいた。
その彼のひざ小僧を覗き込む。
もう血は乾いていた。
「うん。大丈夫やけど……。オレにも貼ってよ。プーさん」
シィ君は楽しそうにクスクス笑ってる。
公園の外から女の人の声が聞こえた。
「ママ!」
男の子はうれしそうに駆け寄るとこちらを見て二人で何か話していた。
「すみませんっ。ありがとうございました」
お母さんはペコペコと頭を下げる。
「お姉ちゃん、ありがとー!」って手を振りながら、親子は公園から去って行った。
ふたりを見送ってから、ふいにシィ君が口を開いた。
「良かったな」
その声にハッと我に返る。
あ……。
そう言えば、シィ君の怪我は?
わたしったら、自分のことにいっぱいいっぱいで、逃げるように美術室から去ったもんなぁ。
「シィ君は? 足、大丈夫?」
シィ君は、すぐ傍でわたしと同じようにしゃがみこんでいた。
その彼のひざ小僧を覗き込む。
もう血は乾いていた。
「うん。大丈夫やけど……。オレにも貼ってよ。プーさん」
シィ君は楽しそうにクスクス笑ってる。