*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「いいよ」


わたしはさっきの男の子のそれとはまるで違う、大きなシィ君の膝に絆創膏を貼った。


「ハイ。痛いの痛いのとんでいけー♪ チチンプイプイ♪」


なんてさっきと同じ呪文を唱えた。

言いながら、可笑しくなってきた。

だって、大きなシィ君にはこのおまじないも、キャラクター柄の絆創膏もすごく不似合いに感じたから。


笑いそうになって、顔を上げるとシィ君の笑顔がすぐそこにあった。

その距離に急に鼓動が早くなる……。

近すぎる……。

でも、身動きが取れないよ。

どうしよう……。


急に何かがこみあげてきて、すっかり乾いていた涙がまた出そうになってきた。

わたしはシィ君から視線をはずして下を向いた。



――カサッ


シィ君の体がちょっとだけ動いて、ジャージが擦れる音がする。

そして……。




「オレら……付き合う?」
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