*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
式を終えて正門前に行くと、ほんとうにシィ君がいた。
なぜかケンちゃんも一緒だ。
「ごめん。待った?」
そう言ってシィ君に駆け寄ったつもりが、ケンちゃんに腕を引かれて彼に両肩をガシッと掴まれてしまった。
「ちぃちゃーん! ほんまなん? シィと付き合うってほんまなん? ちぃちゃんは、オレのもんやったのにー!!」
正門から下校する生徒達がみんなクスクス笑って見ていく。
う……恥ずかしい…。
どうすればいいかわからず、カチンコチンに固まっていると、シィ君が引っ張って、ケンちゃんから離してくれた。
「お前にはサユリがおるやろ! S女のサユリが!」
「サユリとちぃちゃんは比べられへん! ちぃちゃんは、オレの心のオアシスやったのにー!」
「あー。お前ウザイ。いいから、早よ帰れや!」
「ハイハイ」
ケンちゃんは口を尖らせていかにも不服そうな顔をしながら、そばに置いてあった自転車にまたがった。
そのままわたしの方へ近づくと、耳元でわたしにしか聞こえないような小さな声で囁いた。
「良かったな」
驚いて顔を上げると、ケンちゃんの自転車はもう動き出していた。
「オレもサユリとデートするもんねー!」
そう言いながら去っていくケンちゃんの姿を見送って違和感を感じた。
あれ?
自転車……。
なぜかケンちゃんも一緒だ。
「ごめん。待った?」
そう言ってシィ君に駆け寄ったつもりが、ケンちゃんに腕を引かれて彼に両肩をガシッと掴まれてしまった。
「ちぃちゃーん! ほんまなん? シィと付き合うってほんまなん? ちぃちゃんは、オレのもんやったのにー!!」
正門から下校する生徒達がみんなクスクス笑って見ていく。
う……恥ずかしい…。
どうすればいいかわからず、カチンコチンに固まっていると、シィ君が引っ張って、ケンちゃんから離してくれた。
「お前にはサユリがおるやろ! S女のサユリが!」
「サユリとちぃちゃんは比べられへん! ちぃちゃんは、オレの心のオアシスやったのにー!」
「あー。お前ウザイ。いいから、早よ帰れや!」
「ハイハイ」
ケンちゃんは口を尖らせていかにも不服そうな顔をしながら、そばに置いてあった自転車にまたがった。
そのままわたしの方へ近づくと、耳元でわたしにしか聞こえないような小さな声で囁いた。
「良かったな」
驚いて顔を上げると、ケンちゃんの自転車はもう動き出していた。
「オレもサユリとデートするもんねー!」
そう言いながら去っていくケンちゃんの姿を見送って違和感を感じた。
あれ?
自転車……。