*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
この前、渡り廊下でぶつかって、スケッチブックを拾ってくれたあの人だった。
目を凝らしてじっと見る。
他人の顔を覚えるのは、あまり得意じゃないのだけど、あの髪型には見覚えがあった。
真っ黒でちょっと長めのサラサラした前髪。
そして、あの日と同じヘッドフォンを今日は首にかけていた。
うん……間違いない。
きっとそうだ、あの人だ。
男の子達の集団はとても大人っぽく見えた。
あの人も、なんだかすごく落ち着いていたような気がする。
彼がスケッチブックを手渡してくれた時、フンワリと良い香りがした。
高校生にもなると、男の子もコロンか何かつけるもんなんだなぁ。
あんな雰囲気の人、同じ中学にはいなかったもん。
きっとあれは、先輩だな。
2年生か……3年生かもしれない。
「何、見てんの?」
目を凝らしてじっと見る。
他人の顔を覚えるのは、あまり得意じゃないのだけど、あの髪型には見覚えがあった。
真っ黒でちょっと長めのサラサラした前髪。
そして、あの日と同じヘッドフォンを今日は首にかけていた。
うん……間違いない。
きっとそうだ、あの人だ。
男の子達の集団はとても大人っぽく見えた。
あの人も、なんだかすごく落ち着いていたような気がする。
彼がスケッチブックを手渡してくれた時、フンワリと良い香りがした。
高校生にもなると、男の子もコロンか何かつけるもんなんだなぁ。
あんな雰囲気の人、同じ中学にはいなかったもん。
きっとあれは、先輩だな。
2年生か……3年生かもしれない。
「何、見てんの?」