*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「軽っ! ちぃちゃん、ちゃんと食ってんのかー?」
シィ君はそう言いながら、自転車をぐんぐん加速させる。
徒歩通学の生徒達を追い抜いて行く。
何人か知った子の顔も見えた。
みんな、「あ……!」って感じでわたし達に反応する。
これって、『わたし達付き合ってます!』って宣言してるように感じるわたしは自意識過剰デスカ?
ものすごくベタなシチュエーションだけど……。
ずっと憧れてた。
好きな人と自転車二人乗りで下校するの。
「腹へったなー? 飯食いに行く?」
「うん」
「モス行こう! モス!!」
「うん」
……って返事をしてすぐに後悔した。
どうしよ……。
シィ君の前でハンバーガーなんて食べられないよ。
シィ君はそんなわたしの心配なんて気付くはずもなく、自転車をこぎながら楽しそうに色んな話をしていた。
わたしはと言えば、『モスバーガー』であまり大きな口を開けずに、キレイに食べられる物について、寝不足の冴えない頭をひねって一生懸命考えていた。
まだまだ夏の余韻が残っているような蒸し暑い天気。
でもほんの少し秋の気配を感じさせる空には筋状の雲がまるで太い筆で描かれたように浮かんでいた。
坂道を下るわたし達に心地良い風が吹いて、シィ君の白いシャツがパタパタとはためいていた。
シィ君はそう言いながら、自転車をぐんぐん加速させる。
徒歩通学の生徒達を追い抜いて行く。
何人か知った子の顔も見えた。
みんな、「あ……!」って感じでわたし達に反応する。
これって、『わたし達付き合ってます!』って宣言してるように感じるわたしは自意識過剰デスカ?
ものすごくベタなシチュエーションだけど……。
ずっと憧れてた。
好きな人と自転車二人乗りで下校するの。
「腹へったなー? 飯食いに行く?」
「うん」
「モス行こう! モス!!」
「うん」
……って返事をしてすぐに後悔した。
どうしよ……。
シィ君の前でハンバーガーなんて食べられないよ。
シィ君はそんなわたしの心配なんて気付くはずもなく、自転車をこぎながら楽しそうに色んな話をしていた。
わたしはと言えば、『モスバーガー』であまり大きな口を開けずに、キレイに食べられる物について、寝不足の冴えない頭をひねって一生懸命考えていた。
まだまだ夏の余韻が残っているような蒸し暑い天気。
でもほんの少し秋の気配を感じさせる空には筋状の雲がまるで太い筆で描かれたように浮かんでいた。
坂道を下るわたし達に心地良い風が吹いて、シィ君の白いシャツがパタパタとはためいていた。