*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
ふいにかけられた声に焦る。
振り返ると、アカネちゃんが不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。
「え? 何でもないよ! ……天気いいなぁって思って」
咄嗟に誤魔化しちゃった。
「ちぃちゃんがボケッとすんのは、いつものことやん。どうせ、得意の妄想でもしてたんやろ?」
そう言ってからかうのはエミコ。
エミコはバレー部所属で、ショートカットの似合う、大きな瞳が印象の美人。
「うっ……」
返す言葉につまっているわたしに、
「よしよし」と頭を撫でてなぐさめてくれたのはマリちゃん。
マリちゃんはわたしと同じ美術部。
背が高くて落ち着いていて、わたしにとってはお姉さんみたいな存在。
「マリちゃんは、ちぃちゃんを甘やかしすぎ!」
そんなアカネちゃんのセリフにみんなで笑った。
いつもだいたいこんな感じで4人で過ごしている。
みんなの笑顔を見ながら、ほんのちょっとホッとしていた。
良かった。
誰のことを見ていたか、バレなくて。
なぜだか、あの人を見ていたことを知られるのが嫌だった。
それはまだ、自分でも説明できない不思議な感覚。
振り返ると、アカネちゃんが不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。
「え? 何でもないよ! ……天気いいなぁって思って」
咄嗟に誤魔化しちゃった。
「ちぃちゃんがボケッとすんのは、いつものことやん。どうせ、得意の妄想でもしてたんやろ?」
そう言ってからかうのはエミコ。
エミコはバレー部所属で、ショートカットの似合う、大きな瞳が印象の美人。
「うっ……」
返す言葉につまっているわたしに、
「よしよし」と頭を撫でてなぐさめてくれたのはマリちゃん。
マリちゃんはわたしと同じ美術部。
背が高くて落ち着いていて、わたしにとってはお姉さんみたいな存在。
「マリちゃんは、ちぃちゃんを甘やかしすぎ!」
そんなアカネちゃんのセリフにみんなで笑った。
いつもだいたいこんな感じで4人で過ごしている。
みんなの笑顔を見ながら、ほんのちょっとホッとしていた。
良かった。
誰のことを見ていたか、バレなくて。
なぜだか、あの人を見ていたことを知られるのが嫌だった。
それはまだ、自分でも説明できない不思議な感覚。