*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「家にいたくないって……どういうこと?」
その意外な発言にわたしは反応した。
逆に彼女のことが急に心配になった。
アカネちゃんは鞄の中から紙切れを一枚出してきた。
「これって……」
それは、夏休み明けに行われた校内実力テストの結果だった。
「見ていいの?」そう尋ねると、アカネちゃんは無言で頷いた。
わたしはその紙に視線を落とした。
43番……。
それがアカネちゃんの順位だった。
1学年の人数は350人ぐらいだから、それでも上位に入る順位なんだけど……。
アカネちゃんは入学以来ずっと2番だったから、この順位は彼女にしてみれば不本意な結果だったと思う。
「これ見てさー、親がブチ切れてめちゃくちゃ怒られてん。携帯まで取り上げられそうになったもん。ありえへんって」
「うん……。でも……何かあったん?」
アカネちゃんは伸ばしていた足を折り曲げると、それを両手で抱え込んで座りなおした。
「なんかさー。もう勉強すんのがバカらしくなってきてん」
声は明るいけど、顔がひきつっている。
今にも泣き出しそうだ。
わたしは黙って次の言葉を待つ。
長い長い沈黙の後、声を震わせて、それでも泣くのを必死にこらえながらアカネちゃんは口を開いた。
「ちぃちゃん……。わたしなぁ……
失恋した……」
その意外な発言にわたしは反応した。
逆に彼女のことが急に心配になった。
アカネちゃんは鞄の中から紙切れを一枚出してきた。
「これって……」
それは、夏休み明けに行われた校内実力テストの結果だった。
「見ていいの?」そう尋ねると、アカネちゃんは無言で頷いた。
わたしはその紙に視線を落とした。
43番……。
それがアカネちゃんの順位だった。
1学年の人数は350人ぐらいだから、それでも上位に入る順位なんだけど……。
アカネちゃんは入学以来ずっと2番だったから、この順位は彼女にしてみれば不本意な結果だったと思う。
「これ見てさー、親がブチ切れてめちゃくちゃ怒られてん。携帯まで取り上げられそうになったもん。ありえへんって」
「うん……。でも……何かあったん?」
アカネちゃんは伸ばしていた足を折り曲げると、それを両手で抱え込んで座りなおした。
「なんかさー。もう勉強すんのがバカらしくなってきてん」
声は明るいけど、顔がひきつっている。
今にも泣き出しそうだ。
わたしは黙って次の言葉を待つ。
長い長い沈黙の後、声を震わせて、それでも泣くのを必死にこらえながらアカネちゃんは口を開いた。
「ちぃちゃん……。わたしなぁ……
失恋した……」