*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「え……」
わたしは驚きを隠せなかった。
失恋はおろか、アカネちゃんに好きな人がいることすらまったく気付いてなかったから。
1年生の時、みんなで恋バナをした時、アカネちゃんはわたしと同じで「好きな人はいない」って答えていた。
あの後で誰かに恋したのかな……。
それとも、実はあの時すでに……?
わたしの疑問に答えようと、アカネちゃんはゆっくりと、彼女の恋の話を聞かせてくれた。
相手は3組の岸谷君という男の子。
中学の頃、学校は別だったけど、アカネちゃんとは塾が同じだったらしい。
アカネちゃんは当時から優秀でいつも塾の壁には、その成績が張り出されていた。
ある日、岸谷君に声をかけられた。
「田村さんって、めっちゃ頭いいなぁ。オレに勉強教えてよ」
それから、アカネちゃんは彼と一緒に勉強するようになり、密かに恋心を募らせていった。
受験が終わると岸谷君は塾をやめてしまったけど、同じ高校だったので、彼にはたびたび会うこともでき、運がよければ話しかけられることもあった。
だけど、いつまでも告白もできないし、わたし達友達にさえ、その胸の内を話すことができなかった。
そして、この夏休み、アカネちゃんは街で岸谷君が女の子と手を繋いで歩く姿を偶然目撃した。
わたしは驚きを隠せなかった。
失恋はおろか、アカネちゃんに好きな人がいることすらまったく気付いてなかったから。
1年生の時、みんなで恋バナをした時、アカネちゃんはわたしと同じで「好きな人はいない」って答えていた。
あの後で誰かに恋したのかな……。
それとも、実はあの時すでに……?
わたしの疑問に答えようと、アカネちゃんはゆっくりと、彼女の恋の話を聞かせてくれた。
相手は3組の岸谷君という男の子。
中学の頃、学校は別だったけど、アカネちゃんとは塾が同じだったらしい。
アカネちゃんは当時から優秀でいつも塾の壁には、その成績が張り出されていた。
ある日、岸谷君に声をかけられた。
「田村さんって、めっちゃ頭いいなぁ。オレに勉強教えてよ」
それから、アカネちゃんは彼と一緒に勉強するようになり、密かに恋心を募らせていった。
受験が終わると岸谷君は塾をやめてしまったけど、同じ高校だったので、彼にはたびたび会うこともでき、運がよければ話しかけられることもあった。
だけど、いつまでも告白もできないし、わたし達友達にさえ、その胸の内を話すことができなかった。
そして、この夏休み、アカネちゃんは街で岸谷君が女の子と手を繋いで歩く姿を偶然目撃した。