*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
ユカリちゃんはうれしそうにはしゃいで、わたしに携帯の待ち受け画面を見せてくれた。
そこに写っていたのは、他校の制服を着たちょっと派手な感じの男の子。
以前、正門前でユカリちゃんと一緒にいた男の子だ。
そして多分、佐々木さんと別れることになった原因の彼なのだろう。
「A高の子やねん。バイト先で仲良くなってん」
照れくさそうに……でもうっとりと携帯を眺めるユカリちゃん。
だけどわたしはシィ君が気になって、思わずそちらを見てしまった。
シィ君はユカリちゃんの声などまるで耳に入っていないかのように、左手で頬杖をつきながら食事を続けていた。
聞こえてないはずない……。
ユカリちゃんを想うシィ君の気持ちを考えると胸が痛かった。
――ガタンッ!
その時、椅子が荒々しく引かれたような音がした。
「あたし、もう行くわ」
見るとカナコちゃんが席を立っていた。
そして、その後を追うようにヤマジ君も出て行ってしまった。
休憩時間はまだかなり残っているのに、珍しいなぁ……なんて考えていると、ふいに思い出した。
ハッ!
そう言えば……今日、日直だった!
次の授業の準備を先生に頼まれてたんだった。
「わたしも行かな。今日、日直やった! ごめん。ユカリちゃん、先行くね」
そこに写っていたのは、他校の制服を着たちょっと派手な感じの男の子。
以前、正門前でユカリちゃんと一緒にいた男の子だ。
そして多分、佐々木さんと別れることになった原因の彼なのだろう。
「A高の子やねん。バイト先で仲良くなってん」
照れくさそうに……でもうっとりと携帯を眺めるユカリちゃん。
だけどわたしはシィ君が気になって、思わずそちらを見てしまった。
シィ君はユカリちゃんの声などまるで耳に入っていないかのように、左手で頬杖をつきながら食事を続けていた。
聞こえてないはずない……。
ユカリちゃんを想うシィ君の気持ちを考えると胸が痛かった。
――ガタンッ!
その時、椅子が荒々しく引かれたような音がした。
「あたし、もう行くわ」
見るとカナコちゃんが席を立っていた。
そして、その後を追うようにヤマジ君も出て行ってしまった。
休憩時間はまだかなり残っているのに、珍しいなぁ……なんて考えていると、ふいに思い出した。
ハッ!
そう言えば……今日、日直だった!
次の授業の準備を先生に頼まれてたんだった。
「わたしも行かな。今日、日直やった! ごめん。ユカリちゃん、先行くね」