*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
テーブルのすぐ横に女の子が立っていた。
シィ君と同じクラスの佐藤さんだ。
「シィ君、今ちょっといい?」
佐藤さんは返事も待たずにシィ君の隣の空いている席に座った。
「ええよ。どうしたん?」
出たっ。
王子スマイル。
シィ君は佐藤さんにこれ以上ないぐらいの優しそうな笑顔を見せた。
さっきまでわたしに見せていたヘン顔とは別人みたい。
「今日の委員会の件やねんけど……」
佐藤さんは手に持っていたノートをシィ君の前に広げて、何か説明しだした。
シィ君もそれを覗き込む形になって、二人の距離は必然的に近くなる。
佐藤さんはシィ君と一緒にクラス委員をやっているらしい。
最近二人でいるところをよく見かける。
こうしてお昼休みに話しかけてくることもたびたびあった。
客観的に二人を眺めていると、なんだかすごくお似合いに見えてしまう。
佐藤さんはユカリちゃんとはまた違った雰囲気だけど、すごく大人っぽくてキレイな子だ。
背が高くてほっそりとしていて、清楚なやまとなでしこって感じ。
そんな二人を見ていると、胸がモヤモヤとして苦しくなってきた。
こんなこと、いい加減慣れなきゃいけない。
友達……。
わたしは友達なんだから。
平気でしょ?
これまでも何度もそう言い聞かせてきた。
そう“友達”。
それがわたしとシィ君を結ぶ唯一の細い糸。
それに必死にしがみついている自分がどうしようもなく滑稽に思えた。
シィ君と同じクラスの佐藤さんだ。
「シィ君、今ちょっといい?」
佐藤さんは返事も待たずにシィ君の隣の空いている席に座った。
「ええよ。どうしたん?」
出たっ。
王子スマイル。
シィ君は佐藤さんにこれ以上ないぐらいの優しそうな笑顔を見せた。
さっきまでわたしに見せていたヘン顔とは別人みたい。
「今日の委員会の件やねんけど……」
佐藤さんは手に持っていたノートをシィ君の前に広げて、何か説明しだした。
シィ君もそれを覗き込む形になって、二人の距離は必然的に近くなる。
佐藤さんはシィ君と一緒にクラス委員をやっているらしい。
最近二人でいるところをよく見かける。
こうしてお昼休みに話しかけてくることもたびたびあった。
客観的に二人を眺めていると、なんだかすごくお似合いに見えてしまう。
佐藤さんはユカリちゃんとはまた違った雰囲気だけど、すごく大人っぽくてキレイな子だ。
背が高くてほっそりとしていて、清楚なやまとなでしこって感じ。
そんな二人を見ていると、胸がモヤモヤとして苦しくなってきた。
こんなこと、いい加減慣れなきゃいけない。
友達……。
わたしは友達なんだから。
平気でしょ?
これまでも何度もそう言い聞かせてきた。
そう“友達”。
それがわたしとシィ君を結ぶ唯一の細い糸。
それに必死にしがみついている自分がどうしようもなく滑稽に思えた。