*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
――シィ君だ。
一人ではなく、女の子と二人で歩いていた。
例のクラス委員の佐藤さんだ。
一緒に帰るところなのか、自転車を手で押しながら二人で並んで校門を出ようとしていた。
最近では、二人が一緒にいる姿をますます頻繁に見かけるようになった。
付き合ってるんじゃないかと、噂になっているぐらいだ。
――『友達のままでいい』
本気でそう思っていた。
だけど、こうして仲良さそうに歩いている姿を見ると、やっぱり胸が痛い。
友達でいれば、傍に居られる。
だけどそれは……
いつか目の前で彼が誰かを好きになる姿を見届けなければならないということ。
その覚悟がいるってことだ。
ふいに隣に立っているユカリちゃんの方へ視線をやった。
彼女の横顔を見た瞬間、わたしは言葉を失った。
ユカリちゃんは泣いていた。
大きな瞳から涙をポロポロと流して……。
その表情にわたしは見覚えがある……。
あの表情、あの目は……誰かを……。
ひょっとして……。
そうなの?
ユカリちゃん。
わたしは思い切って頭の中の思いを口にした。
「ユカリちゃん、シィ君のこと……好きなん?」
一人ではなく、女の子と二人で歩いていた。
例のクラス委員の佐藤さんだ。
一緒に帰るところなのか、自転車を手で押しながら二人で並んで校門を出ようとしていた。
最近では、二人が一緒にいる姿をますます頻繁に見かけるようになった。
付き合ってるんじゃないかと、噂になっているぐらいだ。
――『友達のままでいい』
本気でそう思っていた。
だけど、こうして仲良さそうに歩いている姿を見ると、やっぱり胸が痛い。
友達でいれば、傍に居られる。
だけどそれは……
いつか目の前で彼が誰かを好きになる姿を見届けなければならないということ。
その覚悟がいるってことだ。
ふいに隣に立っているユカリちゃんの方へ視線をやった。
彼女の横顔を見た瞬間、わたしは言葉を失った。
ユカリちゃんは泣いていた。
大きな瞳から涙をポロポロと流して……。
その表情にわたしは見覚えがある……。
あの表情、あの目は……誰かを……。
ひょっとして……。
そうなの?
ユカリちゃん。
わたしは思い切って頭の中の思いを口にした。
「ユカリちゃん、シィ君のこと……好きなん?」