*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
ユカリちゃんは、涙を拭いもせず窓の外を見ながら首を振る。
「わからへん……。自分でもわからへんねん」
そして、ゆっくりと自分の気持ちを話し始めた。
「幼稚園の頃からずっと一緒やってん。傍にいるのが当たり前やと思ってた」
「うん……」
「ナオはわたしにとってスーパーマンみたいなもんやねん。困った時はいつも助けてくれた。みんなから嫌われても、ナオだけはいつも味方でいてくれてん」
「うん……」
「ちぃちゃんとナオが付き合った時……。心のどこかで、『それでも、ナオにとっての一番はわたし』みたいに思っててん。口ではちぃちゃんのこと応援してたくせに……。わたしって最低やろ?」
「ユカリちゃん……」
「けど……。あの時初めて、ナオに拒否されてん。『もうオレに甘えんな』って。幼馴染は結局、幼馴染なだけ……。“彼女”とは違うんやなっ……て、やっと気付いてん」
それは、佐々木さんとのことをシィ君に相談に乗ってもらった時のことだと思う。
わたしが見かけた、公園で二人が抱き合っていた時のことだ。
ユカリちゃんはあの時、そんな風に思っていたんだ……。
わたしは、さっきから、あることを言うべきかどうか迷っていた。
だけど、目の前で涙を流す彼女に言わないわけには、いかなかった。
「ユカリちゃん……」
自分でもバカだと思った。
こんなこと言うなんて……。
「シィ君はユカリちゃんのことが……好きやと思うよ」
こんなだから、カナコちゃんに『お人好し』なんて怒られるのかな。
ユカリちゃんは相変わらず窓の外を見つめながらポツリと呟いた。
その言葉は……
わたしが想像していたようなものではなかった。
「知ってた……」
「え……?」
「わからへん……。自分でもわからへんねん」
そして、ゆっくりと自分の気持ちを話し始めた。
「幼稚園の頃からずっと一緒やってん。傍にいるのが当たり前やと思ってた」
「うん……」
「ナオはわたしにとってスーパーマンみたいなもんやねん。困った時はいつも助けてくれた。みんなから嫌われても、ナオだけはいつも味方でいてくれてん」
「うん……」
「ちぃちゃんとナオが付き合った時……。心のどこかで、『それでも、ナオにとっての一番はわたし』みたいに思っててん。口ではちぃちゃんのこと応援してたくせに……。わたしって最低やろ?」
「ユカリちゃん……」
「けど……。あの時初めて、ナオに拒否されてん。『もうオレに甘えんな』って。幼馴染は結局、幼馴染なだけ……。“彼女”とは違うんやなっ……て、やっと気付いてん」
それは、佐々木さんとのことをシィ君に相談に乗ってもらった時のことだと思う。
わたしが見かけた、公園で二人が抱き合っていた時のことだ。
ユカリちゃんはあの時、そんな風に思っていたんだ……。
わたしは、さっきから、あることを言うべきかどうか迷っていた。
だけど、目の前で涙を流す彼女に言わないわけには、いかなかった。
「ユカリちゃん……」
自分でもバカだと思った。
こんなこと言うなんて……。
「シィ君はユカリちゃんのことが……好きやと思うよ」
こんなだから、カナコちゃんに『お人好し』なんて怒られるのかな。
ユカリちゃんは相変わらず窓の外を見つめながらポツリと呟いた。
その言葉は……
わたしが想像していたようなものではなかった。
「知ってた……」
「え……?」