*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「じゃ。ラテとキャラメルミルクティー」


サトシ君はわたしのオーダーを聞きもせず、店員さんに注文した。

まぁ……実際、聞かれなくてもわたしの心は決まってたからいいんだけど。


店員さんと話すサトシ君の横顔をそっと盗み見る。


この人が女の子に好かれるのは、こういうとこかもしれないなぁ。

何も言わなくても、先回りして女の子の気持ちを理解して行動に移してくれる。

女の子ってそういうスマートな行動に弱いんだよね。

なんか頼りになるっていうか、甘えられそうっていうか……。




「で。なんかあったん?」


店員さんが去るやいなや、サトシ君はわたしに質問する。


「ううん、別に……」


否定しかけて言葉が止まった。

彼なら、何か良い案を出してくれるかもしれない。

恋愛について詳しそうだし……。

何よりシィ君とユカリちゃんのことをずっと近くで見てきた人だ。



「あのね……」


わたしはユカリちゃんから聞いたことをサトシ君に打ち明けた。

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