*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
・背中を押す
2月。
真冬の中庭は見るからに寒そう。
わたしは窓の外をぼんやり眺めていた。
今日の天気予報は雪マークだった。
この冬一番の寒波が訪れるらしい。
空には灰色の雲が重そうに垂れ下がっていて、雪を降らせる準備を着々と進めているような気がした。
窓際の席から、教室を見渡す。
6限目の授業。
もうみんなの集中力もすっかり切れてしまい、誰も先生の話など真剣に聞いていないような気がする。
午後の気だるい空気が流れる中、さっきから先生の単調な言葉だけが、静かな教室に響き渡っていた。
そんな時だった。
突然沈黙を破るような、乱暴にドアを開ける音がした。
教室内の全員がその音の方に注目した。
そこには、違う学校の制服を着た男の子が立っていた。
彼は注目を浴びる中、何食わぬ顔して平然と教室内に入ってきた。
「おい! キミ! なんや!」
一瞬、この状況を飲み込めず呆然としていた先生が、慌てて声をかけた。
だけど彼は、そんな言葉を無視して、どんどん中へ進む。
まるでどこに行くかは最初から決まっているかのように、ある一点を見据えながら……。
あ……。
あの制服……ってたしか
A高の制服だ。
そう思った瞬間……
彼は目的の場所で立ち止まった。
真冬の中庭は見るからに寒そう。
わたしは窓の外をぼんやり眺めていた。
今日の天気予報は雪マークだった。
この冬一番の寒波が訪れるらしい。
空には灰色の雲が重そうに垂れ下がっていて、雪を降らせる準備を着々と進めているような気がした。
窓際の席から、教室を見渡す。
6限目の授業。
もうみんなの集中力もすっかり切れてしまい、誰も先生の話など真剣に聞いていないような気がする。
午後の気だるい空気が流れる中、さっきから先生の単調な言葉だけが、静かな教室に響き渡っていた。
そんな時だった。
突然沈黙を破るような、乱暴にドアを開ける音がした。
教室内の全員がその音の方に注目した。
そこには、違う学校の制服を着た男の子が立っていた。
彼は注目を浴びる中、何食わぬ顔して平然と教室内に入ってきた。
「おい! キミ! なんや!」
一瞬、この状況を飲み込めず呆然としていた先生が、慌てて声をかけた。
だけど彼は、そんな言葉を無視して、どんどん中へ進む。
まるでどこに行くかは最初から決まっているかのように、ある一点を見据えながら……。
あ……。
あの制服……ってたしか
A高の制服だ。
そう思った瞬間……
彼は目的の場所で立ち止まった。