*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
シィ君てほんとよくわかんない。


そう思いながらチラリと彼の方を見た。

視線に気付いた彼はニカッと笑って言った。


「“どんどん焼き”持って来たん?」


「えーえー。持ってきましたとも!」


半ばヤケになってそう言うと、シィ君は吹き出して肩を震わせて笑ってる。



きっと何も考えてないんだろうな。

わたしと付き合っていたことすら忘れてるんじゃないか、なんて思ってしまう。

いつまでも過去を引きずっているのは、わたしだけなのかもしれない。




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