*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
恐る恐る自分の姿を見下ろした。


大丈夫。

スカートはちゃんとはいている。

でも、上は……。

シィ君にお腹とそれから……あられもない下着姿を晒してしまった。


その事実を確認した途端、顔から火が出そうになった。


いくら頭がはっきりしていなかったとはいえ、カーテンを閉め忘れるなんて……。

うわーん。


ヘンなもの見せちゃった。

なんか申し訳ないぐらいだよ。


どうしよう……。


とりあえず着替えたものの、どうにも保健室から出る勇気がない。


しばらくすると、廊下から遠慮がちな声が聞こえた。


「ちぃちゃん……もう着替えた?」


「う……うん」


ガラガラとまるでそれ自体が躊躇しているかのように、ドアがゆっくりと開けられた。

そこには、茹でダコみたいに真っ赤な顔したシィ君が立っていた。


「ごめんね……」


なぜかどうしようなく申し訳ない気分になり、謝ってしまった。


「え? なんでちぃちゃんが謝るん?」


「なんとなく……」


「ぷっ……」


俯いてもじもじしているわたしの様子に、シィ君が吹き出した。


「じゃ、帰ろっか?」

「うん……」
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