*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「ただいまー」
という声が玄関の方から聞こえてきたと思ったら、その声がどんどん大きくなってきた。
「えー? 千春の彼氏? まじでー? イケメンなん? やるなぁ……あの子……いつの……ま……に」
その女性はオレの顔を見るなりまるでお化けにでも遭ったかのような驚愕の表情で、リビングの入り口で立ち止まった。
通話中だったのか、耳に携帯をあてたままだ。
彼女はさっきオレが写真で確認した、おそらく、ちぃちゃんのお姉さんなのだろう。
そう予想した時、ちぃちゃんが真っ赤な顔をしてソファから立ち上がった。
「お、お姉ちゃん!」
その声が聞こえたのか、キッチンからはお母さんが慌てて戻ってきた。
手には受話器を握りしめたまま。
「ぶはっ……!」
その光景を見たオレはこらえきれずとうとう吹き出した。
すげー。
この親子。
最高。
おそらくお母さんがキッチンで電話していた相手はお姉さんだったのだろう。
もちろん話題はオレのこと。
勝手に“ちぃちゃんの彼氏”だと思い込んで、そのことを報告してたんだ。
さらに、お姉さんは今オレがここに居ることも知らず、大声で話しながら入ってきたのだ
……と推測される。
「い……いらっしゃいまへ」
お姉さんはひきつりながら、オレに挨拶をしてきた。
“まへ”って……。
「くっくっくっ……」
もう笑いが止まらなくなっていた。
おそるべし、松本家。
天然一家。
という声が玄関の方から聞こえてきたと思ったら、その声がどんどん大きくなってきた。
「えー? 千春の彼氏? まじでー? イケメンなん? やるなぁ……あの子……いつの……ま……に」
その女性はオレの顔を見るなりまるでお化けにでも遭ったかのような驚愕の表情で、リビングの入り口で立ち止まった。
通話中だったのか、耳に携帯をあてたままだ。
彼女はさっきオレが写真で確認した、おそらく、ちぃちゃんのお姉さんなのだろう。
そう予想した時、ちぃちゃんが真っ赤な顔をしてソファから立ち上がった。
「お、お姉ちゃん!」
その声が聞こえたのか、キッチンからはお母さんが慌てて戻ってきた。
手には受話器を握りしめたまま。
「ぶはっ……!」
その光景を見たオレはこらえきれずとうとう吹き出した。
すげー。
この親子。
最高。
おそらくお母さんがキッチンで電話していた相手はお姉さんだったのだろう。
もちろん話題はオレのこと。
勝手に“ちぃちゃんの彼氏”だと思い込んで、そのことを報告してたんだ。
さらに、お姉さんは今オレがここに居ることも知らず、大声で話しながら入ってきたのだ
……と推測される。
「い……いらっしゃいまへ」
お姉さんはひきつりながら、オレに挨拶をしてきた。
“まへ”って……。
「くっくっくっ……」
もう笑いが止まらなくなっていた。
おそるべし、松本家。
天然一家。