*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
・サトシの発言
ジリジリと照りつける太陽。
もうそろそろ夕方にさしかかる時刻だと言うのに、強い日差しは容赦なくオレ達を襲う。
街路樹の蝉達が拡声器でも使って鳴いてるんじゃないかってぐらい、けたたましく金切り声を上げている。
都会の雑踏の方が蝉の声が気になるのは、いったい何故なんだろう……。
「ふーん。じゃ、解決したってわけやん」
「うん……まぁなー」
オレは今サトシの買い物に付き合って街をブラついている。
サトシには、一応相談に乗ってもらっていたわけで、オレは兄貴とユウとのことを報告した。
「これでお前も気兼ねなく童貞捨てられるね!」
サトシのわざとらしい能天気な声に、すぐそばを歩いていた見知らぬおばさんが振り返った。
「アホか! こんな道の真ん中で言うな!」
慌ててサトシの頭を小突いた。
「でも、だからって、別にすぐにしたいとか、そんなんちゃうし……」
今にも溶け出しそうなぐらい熱を帯びたアスファルトを眺めながら呟いた。
気のせいか視界が揺れるような錯覚に陥る。
「は? 何それ?」
「なんでみんな“付き合う”イコール“ヤる”みたいな感じになるねん。別にそれだけちゃうやろ?」
もうそろそろ夕方にさしかかる時刻だと言うのに、強い日差しは容赦なくオレ達を襲う。
街路樹の蝉達が拡声器でも使って鳴いてるんじゃないかってぐらい、けたたましく金切り声を上げている。
都会の雑踏の方が蝉の声が気になるのは、いったい何故なんだろう……。
「ふーん。じゃ、解決したってわけやん」
「うん……まぁなー」
オレは今サトシの買い物に付き合って街をブラついている。
サトシには、一応相談に乗ってもらっていたわけで、オレは兄貴とユウとのことを報告した。
「これでお前も気兼ねなく童貞捨てられるね!」
サトシのわざとらしい能天気な声に、すぐそばを歩いていた見知らぬおばさんが振り返った。
「アホか! こんな道の真ん中で言うな!」
慌ててサトシの頭を小突いた。
「でも、だからって、別にすぐにしたいとか、そんなんちゃうし……」
今にも溶け出しそうなぐらい熱を帯びたアスファルトを眺めながら呟いた。
気のせいか視界が揺れるような錯覚に陥る。
「は? 何それ?」
「なんでみんな“付き合う”イコール“ヤる”みたいな感じになるねん。別にそれだけちゃうやろ?」