*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
・浴衣
キッチンで夕飯の準備をしているお母さんに声をかけた。
「今日、夏祭り行くから、ご飯いらなーい。あんまり遅くならないようにする……から……」
言葉は途中で途切れた。
お母さんがキッチンからすっとんでやってきたから。
心なしか、目がランランと輝いている。
そして次々と質問が飛び出す。
「誰と行くの? もちろん男の子? あ! ひょっとして香椎君?」
お母さんはシィ君のことがよっぽど気に入ったのか、あの日以来、ことあるごとに彼の名前を出す。
なんかカンチガイしてるんだよね……。
彼氏じゃないって言ってんのに。
「もー! シィ君じゃない人やって!」
「ってことは、男の子だ!」
気が付くと、ニヤニヤ笑っているお姉ちゃんがすぐ後ろに立っていた。
しまった……。
前と後ろに挟まれてしまった。
もう逃れられないと感じて、素直に白状することにした。
「今日、夏祭り行くから、ご飯いらなーい。あんまり遅くならないようにする……から……」
言葉は途中で途切れた。
お母さんがキッチンからすっとんでやってきたから。
心なしか、目がランランと輝いている。
そして次々と質問が飛び出す。
「誰と行くの? もちろん男の子? あ! ひょっとして香椎君?」
お母さんはシィ君のことがよっぽど気に入ったのか、あの日以来、ことあるごとに彼の名前を出す。
なんかカンチガイしてるんだよね……。
彼氏じゃないって言ってんのに。
「もー! シィ君じゃない人やって!」
「ってことは、男の子だ!」
気が付くと、ニヤニヤ笑っているお姉ちゃんがすぐ後ろに立っていた。
しまった……。
前と後ろに挟まれてしまった。
もう逃れられないと感じて、素直に白状することにした。