*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
オカン、いないのかな?


つか、こんだけ鳴っても出ないのに、諦めないってどゆこと?


オレは重い体に「よいしょ……」と気合を入れて、立ち上がった。



「ハイハーイ」


誰に言うでもないダルそうな返事をしながら玄関へ向かう。


その間もなり続けるチャイム音。


ここまでしつこいと、来客が誰であるかの予想がなんとなくついてきた。

インターフォンの画面を確認もせずに、ドアを開けた。




「もぉ! 遅いー!」


ユウが不満げに口を尖らせ、中に入ってきた。



「おはよ……」


寝起きのオレは、ついそんな挨拶を口にしてしまった。


「『おはよ』じゃないよー。何時やと思ってんの?」


「何時?」


「もう4時過ぎてるよ?」



「マジで……?」


かれこれ3時間は昼寝をしていたらしい。

どう考えても寝すぎだろ。


我ながら時間の使い方間違ってるなって思った。
< 303 / 417 >

この作品をシェア

pagetop