*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
ジャッ……という音とともに、西日が窓から差し込み、部屋は一瞬にして照らし出された。

その眩しさに思わず目を細めてしまう。


「……う…ん……」


サトシもようやく目覚めたようだった。


「……なんで……お前がおんの?」


サトシはいつもより2トーンぐらい低いかすれた声で聞いてきた。


「ああ……もう最悪や。せっかくええ夢みてたのに。なんで目覚めにシィの顔見なあかんねん……。昨日は一晩中寝てへんし……。オレ、もう一回寝るっ」


そう言って、もう一度枕に顔を沈めた。


一晩中寝てないって?

どういうことやねん。


「おいー! 二度寝すんなっつの!」


サトシの耳元で声を上げた。


オレがここに来た理由はたった一つだ。

“サトシはちぃちゃんとヤったのか”

その事が気になって、確認したくてしょうがなかった。


だけど、声が出せない。


……ヤったのか?


その言葉がただ頭の中でグルグルと廻るだけだった。
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