*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「ヤったんか?」


「え?」


今まさに言おうとしたセリフをそのまんま言われたことに、飛び上がるほど驚いた。


いつの間にかサトシは目を開け、枕から顔を上げてオレの方をニヤニヤしながら見ていた。

口を開けたまま何も言えないでいると、さらに続けた。


「オレのプレゼント、役に立ったか?」


「……うん」



「ハハハ! マジで!」



サトシはムクッと起き上がるとベッドの上であぐらをかいて座った。

良かった、下はちゃんと穿いてた。

そんなことにホッとしたりして……。


「これで童貞卒業やな!」


「“童貞”言うなっつの!」


オレはドカッと床に座った。

そして気持ちを見透かされないように慎重に口を開いた。


「で……。お前はどうなん?ちぃちゃんと……」





「ああ。もちろん……したよ」
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