*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
サトシは何かを思い出すかのように楽しそうに話す。


「いくらオレでも浴衣の着付けなんかできへんし。ちぃちゃんが自分でできるんなら話は別やけど」


なるほど。

浴衣だと脱がせた後が大変だってわけか。

まったく、そこまで計算できてるなんて、ほんと余裕だよ。


「ま、脱がさんでもできるけどな。初めてで“アレ”……は、無理やろ?」


ケラケラ笑いながらそう言った。

こいつの頭ン中、ほんとエロだらけだな。


「けど……。あの子はほんまガード固いな。アレ天然なん? まいるわ」



サトシは昨日の出来事を話して聞かせてくれた。



オレらと別れた後、サトシは仮病を使った。

それはちぃちゃんをこの家に連れ込むため。

といっても、サトシ曰く、ホントにエッチな目的があったわけではないらしい。

この家のルーフバルコニーからはちょうど花火を見ることができるので、二人でそれを眺めながら、なんとなく良い雰囲気に持ち込もうって計画だった。

サトシは彼女の優しさにつけこめば上手く行くと確信していた。

案の定、彼女は容易く情にほだされて家までついてきた。

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