*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「あ。うん、今切ってきてん」
トレードマークの茶髪のサラサラロングはばっさりと切られていて、短くした髪をツンツンに散らして、まるで別人みたいだった。
そして、さっきから何よりも目立っているのは、サトシ君の背後にある大きなバイクだった。
「いいやろ? これ、オレの相棒」
わたしの視線に気付いたのか、サトシ君の方から説明してくれた。
これって、大型だよね……。
いつの間に?
「18になって、実はこっそり教習所通っててん。んで、やっと免許取れたから、どうせなら遠くまで行ってみよかなぁって思って」
「それで“自分探しの旅”……?」
ぶっ……。
吹き出して笑ってしまった。
もう、ほんとこの人って何しでかすか、てんでわかんない。
「笑うな」
サトシ君はそう言うと、手のひらに乗った小さな箱をわたしの目の前に差し出した。
「はい。これお土産」
「ええっ。わたしに……?」
「うん。たいしたもんちゃうねんけどな」
「開けていい?」
「いいよ」
ゆっくりと丁寧に包みを外して、箱を開けた。
「うわぁ。キレイ……」
箱の中に入っていたのは、グラスだった。
ぽってりと丸みを帯びた形。
底にからサイドにかけてオレンジの濃淡のグラデーション模様が入っていた。
「サトシ君、ありがとう。なんか、うれしい……。わたし実は今日、誕生日やねん」
「え? マジで?」
サトシ君は一瞬驚いたような顔をして、それから
「そっか……。おめでとうな」
はにかむように、そう小さく呟いていた。
トレードマークの茶髪のサラサラロングはばっさりと切られていて、短くした髪をツンツンに散らして、まるで別人みたいだった。
そして、さっきから何よりも目立っているのは、サトシ君の背後にある大きなバイクだった。
「いいやろ? これ、オレの相棒」
わたしの視線に気付いたのか、サトシ君の方から説明してくれた。
これって、大型だよね……。
いつの間に?
「18になって、実はこっそり教習所通っててん。んで、やっと免許取れたから、どうせなら遠くまで行ってみよかなぁって思って」
「それで“自分探しの旅”……?」
ぶっ……。
吹き出して笑ってしまった。
もう、ほんとこの人って何しでかすか、てんでわかんない。
「笑うな」
サトシ君はそう言うと、手のひらに乗った小さな箱をわたしの目の前に差し出した。
「はい。これお土産」
「ええっ。わたしに……?」
「うん。たいしたもんちゃうねんけどな」
「開けていい?」
「いいよ」
ゆっくりと丁寧に包みを外して、箱を開けた。
「うわぁ。キレイ……」
箱の中に入っていたのは、グラスだった。
ぽってりと丸みを帯びた形。
底にからサイドにかけてオレンジの濃淡のグラデーション模様が入っていた。
「サトシ君、ありがとう。なんか、うれしい……。わたし実は今日、誕生日やねん」
「え? マジで?」
サトシ君は一瞬驚いたような顔をして、それから
「そっか……。おめでとうな」
はにかむように、そう小さく呟いていた。