*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
・探すboy
オレは、中庭の花壇の裏にしゃがみこんで、ある物を探していた。
昨日、ユウはCDを返しに俺の家にやってきて、学校でピアスを片方失くしたとぼやいていた。
窓際で話し込んでいた時に、外に落としたらしい。
昨日の会話を思い出す。
『なんで、窓際でピアスはずすかなー』
『だって、なんか痒くて……。あれ、お気に入りやってんけどなぁ。天使の羽の形のやつ』
「天使の羽ねぇ……。そんなん、ないっちゅうねん」
サトシ達には自分のボールペンを落としたと適当にウソをついて、オレはさっきから地面に這いつくばり、見落とさないように細心の注意を払って、それを探していた。
われながら、健気なことしてるなぁ……ってホント思うよ。
だけど、ピアスは一向に見つからない。
ひょっとしたら、風に煽られたかもな。
そう思って、ユウの教室の真下ではなく、その隣の教室の下あたりも探し始めた。
――パン……パン……パンッ
その時、聴きなれた軽快なリズムに思わず顔を上げた。
やはり出たか……黒板消し子ちゃん。
相変わらず頑張ってマジメに黒板消しを叩く彼女を下から眺めていた……その時。
「あ………ああああああ!」
昨日、ユウはCDを返しに俺の家にやってきて、学校でピアスを片方失くしたとぼやいていた。
窓際で話し込んでいた時に、外に落としたらしい。
昨日の会話を思い出す。
『なんで、窓際でピアスはずすかなー』
『だって、なんか痒くて……。あれ、お気に入りやってんけどなぁ。天使の羽の形のやつ』
「天使の羽ねぇ……。そんなん、ないっちゅうねん」
サトシ達には自分のボールペンを落としたと適当にウソをついて、オレはさっきから地面に這いつくばり、見落とさないように細心の注意を払って、それを探していた。
われながら、健気なことしてるなぁ……ってホント思うよ。
だけど、ピアスは一向に見つからない。
ひょっとしたら、風に煽られたかもな。
そう思って、ユウの教室の真下ではなく、その隣の教室の下あたりも探し始めた。
――パン……パン……パンッ
その時、聴きなれた軽快なリズムに思わず顔を上げた。
やはり出たか……黒板消し子ちゃん。
相変わらず頑張ってマジメに黒板消しを叩く彼女を下から眺めていた……その時。
「あ………ああああああ!」